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タイトスカートが似合わない理由~私が気づくまで③~

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さて、タイトスカートが似合わない理由は分かりました。
私の体の比率と、タイトスカートの比率が合ってないんです。

では、似合う方法はあるのか?

答えは、ノーでした。
似合わないんです。

せいぜい、母がやってくれたように、腰のところを補正するだけ。
それをしても、長澤まさみのように似合う事は出来ないのです。

逆に言えば、長澤まさみに似合うギャザースカートもないのです。
これは、骨格と洋服のパターンの問題です。布に線を引いて、切って、縫って作るものである限り、どうしようもないのです。四角い箱に、丸い鉄の玉をぴったり詰めることができないのと同じです。私たちの体はゴムではないので、スカートに合わせて広げることも、狭めることもできないからです。

つまり、タイトスカートよ、さようなら、と心から言えたのでした。
これはもう、私には無理だったのです。

哀しい結末でしたが、理由が分かり、無理な理由も分かりました。
納得づくで撤退です。

めでたしめでたし・・・・

ではなく・・・忘れてはいけません。
一体、うちのオカンはどうなるのか。
似合うスカートは何なのか、どれなのか。
鉢腰なのか、柳腰なのか・・・・。


■謎の肉体を持ったオカン

どっちでもなさそうなんです・・・困ったことに。
別に出てもいないけど、ひっこんでもいない。とにかく、太ってるわりに、尻が出るわけでもなく、ただただ全体的に筒になっているのです。

少し、母の体を検証してみることにしました。

■特徴を抽出してみる

柳腰さんの体型と、鉢腰さんの体型の特徴を抽出し、それと照らし合わせてみたのです。

1.柳腰さんの特徴

腰が平べったい、洋ナシ体型、肩幅が狭く、体の厚みがない。胸の骨がえぐれたようになっている。

2.鉢腰さんの特徴

腰から下が急激に後ろにせり出していて、胸が前に出ていて、体の厚みがある、円柱。肩幅が広い。

3.オカンの特徴:

体が筒と言われてきた。では鉢腰なのか?
鉢腰の特徴は見られるか?ない。でも柳腰でもない。
肩幅も広くない。というか、全体的に、ストンとしている。

が、骨が太い。

手首が筒。すごい筒。私の手首は扁平で細い。
母は膝の皿が異様にでかい。どれくらい大きいかというと、母身長152センチに対し、私は157センチ。皿の大きさが、私の倍以上あるのです。何だ!この差は?!

「私、足が太いというより、膝が大きいんだ。」

「でかいアクセサリーしか似合わない。太ったからかと思ったけど、若いときに痩せてても小さいアクセサリー似合わなかった」

「巨大な柄しか似合わない、昔から。キモノも、洋服も。バカでかい柄を着ていた、今も」

うーん、これ、何なんだ。

「昔からね、ハイウエストだけは似合わないってわかってたから、ローウェストにするようにしたのよ」

うーん。ハイウエストが似合わないってことは、絶対に柳腰じゃない。というのも、柳腰さんはローウエストにすると、途端にみっともない姿になるから。これは常識。扁平だからね、重心が下がってみえちゃうと、短足に見えるの。

じゃ、鉢腰さんなの?
「でもね、鉢腰さんなら、もれなく鳩胸なんだけど、私、鳩胸じゃないの。
かといって、骨が大きい。」

■ブレイクスルー

なにこれー!と思っていて、その頃のことです。私は本屋さん、図書館、ネット、あちこちで調べました。多くのものに目を通しました。

すると骨格診断というのがあって、人間は3つの骨格に分けることが出来るというのを知ったのです。

私も、そのうち二つまでは薄々知っていたわけです。鉢腰、柳腰がある、と。

母も知っていました。

だって洋裁する上で、パターンって二種類あって、ドレメ式と文化式があるんです。ドレメ式が柳腰さんにぴったりで、文化式が鉢腰さん用なんです。その二つのどっちか。(ちなみに、祖母はドレメ式の名人。)だから、どっちが合うかなって目で見てたらしい。

オカン、じゃあ、どっちのパターンで自分の洋服作ってたの?

ドレメ式。
ドレメできるし、ドレメカワイイし。

で、似合うの?いや、別に。
わからねー、と思っていたから、謎だったのです。


では、骨格診断ではどう分けているかというと、3つ。

ウェーブ、ストレート、ナチュラル。

ここで、私たちが知っている分類に当てはめると、ドレメ式の柳腰さんがウェーブ体型、文化式の鉢腰さんがストレート体型、ということでした。

でも最後のナチュラル体型には気づかなかった。そういうものがあると、認識していなかった。
オカンも、自分が謎の体型で、変だなと思ってたらしい。祖母は「素材感があって、大きいのが似合う」という事だけは分かっていたらしい。

半信半疑だったわよ。

オカンはウェーブでもない、ストレートでもない、じゃナチュラルなのか?

ナチュラル体型って何よ?

上半身と下半身がほぼ同じバランスってことで、異様に骨がでかくてさ、ゴワゴワしたのが似合って、ドルマンスリーブが似合って、ローウエストじゃないと決まらなくて、これって、これってオカンの事じゃん!!

オカンはナチュラルっていう体型じゃん!!オカン、オカンは日本人にはマレな、アメリカ人に多い体型だったんだよーーーーーーーーーーーーーーーーー!


■希少すぎて気づかなかった第三のグループ


母「でも、私みたいな体型の人、ほとんどいないのよ。ほんとよ、おばあちゃんのお客さんでもいなかったと思う。だっていないもの、町を歩いていても。大抵、見るからにどっちかよ。ドレメか文化でいけるのよ。」


だから、少ないんだって。
だからか。だからなんだ!!!だから、洋裁する人たちも、たいして気にも留めずにきた体型なんだー!!!

同じ体型の人に、萬田久子さんや、ジェーン・バーキンがいます。
彼らめちゃくちゃ細いのに、ゴワゴワビッグシルエット似合いますね。そしてよく見ると、骨がでかい。すごいでかい。

で、そのナチュラルって体型の人には何が似合うわけ?どういうスカートが似合うわけよ、とオカンは詰め寄ります。

「ミニじゃなければ、なんでも似合うって」

嘘よ、嘘!だって何も似合わないもの!!!

「いや、待って、ただし“トップスの丈を長くすること”だって」

えー!!そうなの?そうなの?
だからか・・・似合ってると褒められたときは、下に何を履いているかではなく、いつも、ゴワゴワして丈の長いトップスを着てる時だーーーーー!

まさかの、どんなスカートが似合う、ではなく、上に着るもの次第で何でもよかった、ということだったんですね。だから、何を着てもとりたてて似合わないと確信もできないし、似合うとも思えなかったわけです。

■ドレメ式、文化式、そして最近あらわれた「囲み製図」という新たな手段


オカン「ちょっと待って、ドレメ式と文化式ってあるって言ったでしょ。実はね、もう一つあるの。囲み製図って。これね、凄い簡単で素人用の稚拙なものだと思ってたけど・・・それって、ナチュラルの体型って、この囲み製図で作った洋服が似合うってことよ!!」

そうなの?ね、そうなの?私たち、凄い事に気づいちゃった?
だって、骨格診断の本とか、パターンの話は載ってないよ。

でも、パターンってそういうものだからねぇ。

「だから囲み製図出てきたのねぇ、凄い簡単なのよぉ。せっかく難しいドレメが作れるのに、私囲み製図で良かったんだぁ。わざわざドレメ式にあちこち工夫して自分に合わせて作ってたのに、意味ないじゃん。ただ囲み製図したらいいんだぁ、なんだぁ、そうなんだぁ・・・・」



無事、めでたく、オカンはジェーン・バーキンのような体型であると判明し、その通りにゴワゴワした素材で、丈を長く、靴もごつく、時計もごつく、でかいアクセサリーを付け、コクーンシルエットのブラウスを着て、「痩せて見える、若返った、素敵、おしゃれ」と言われるようになったのでした。

めでたしめでたし・・・・


で終わりではなかったのです。

我々、これが判明して俄然やる気を出し、いろんなブランド、ショップを検証し、芸能人の服装、雑誌等でチェックし、調べ、集め、パターンの中身などを検討していくうちに、様々な発見をしたのです。

この過程で、体型なんてそんなバリエーションない事も分かり、外人も日本人もたいしてそこには関係なく、痩せても太っても関係ないことが分かりました。そのこともまた述べますが、これ自体は骨格診断の本などにも載っていると思います。別に新しい事実ではありません。

似合う柄、素材、も同じです。

ですが、私たちが気づいたもっとすごいことは、もっと別な事だったのです。
ユニクロの台頭の本当の理由が見えてきたのです。
何故、ここまで台頭してきたのか。

■ユニクロが台頭した本当の理由

その答えは、また次の機会に述べたいと思います。
ですが、簡単にここで述べると、日本人には圧倒的に鉢腰タイプの人が多い。つまり、文化式のパターン(スーツならイタリア式)が似合う人が多いのです。なのに。どこのブランドも、ほとんどが柳腰用の洋服ばかり売っているのです。デパートブランドのほとんど全てが柳腰さん用の洋服。8割がたじゃないでしょうか?そこに、颯爽と現れたのが、ユニクロ。まさに、文化式そのもののデザインを大量に安く、高品質で売り出してくれたのです。

そりゃ、売れますって。
需要に対して、供給が全くなかったわけですから。


市場に洋服は山のようにある。

しかし、ほとんどがウェーブ体型(柳腰)用。それでは、圧倒的多数である鉢腰さん(ストレート体型)の人は、着るものがないか、着ても似合わないで辛い思いをしていたはず。

そこへ、ユニクロです。
当然の成功なのです。

もっとも、ユニクロは最近、ウェーブ体型用の商品(ジョガーパンツ、テイパードパンツ、ハイネックリブ)が増えて主力にしようとしています、やれやれ。これじゃ、その辺のデパートブランドと同じじゃないか。もしかして、今までも計算してやってたんじゃなくて、たまたまだったのかしら・・・

文化式の洋服(鉢腰のストレート体型用の服)の方が、作るのが簡単だから?それで?

ユニクロが買ったセオリーというブランドがありますが、あれもまさに鉢腰さんに似合うシルエット。でも高いのね。憧れて、私、買ったよ、そして似合わなかったよ。ユニクロは、あれの安い版だから。

ユニクロ以外では、近年のアパレルではギャル服のブランドが台頭したと思います。

あれも、デパートブランドにはない、丈の長い、胸開きの大きい、まっすぐなシルエットのものが多いです。ああいうブランドが受ける背景には、オシャレに敏感な鉢腰体型の若い女性が、自分に似合うものを求めていたということがあったのでしょう。

どおりで、私はギャル服が似合わなかったはずです。
大きく開いた着丈の長いVネックに、タイトスカート。
鉢腰ギャルならカワイイけど、私だとマヌケになるのです。


全てに理由がある。
そして、ユニクロ、どうかお願い。
鉢腰さん用のデザインを、忘れずにいつまでも販売してください。
そして、最近、私たち柳腰さんにも着やすいデザイン、有難う御座います。


では、パターンの話など細かい事は説明したいのですが、次回は色についてお話したいと思います。「カーキ色が似合わない~私が気づくまで~」をお届けしたいと思います。




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